日本化薬健康保険組合

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家族の加入について

健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいます。被扶養者として認定されるためには、「国内居住」のうえ、「家族の範囲」と「収入」について一定の条件を満たしている必要があります。

POINT
  • 被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。
  • 被扶養者の異動があった場合は、5日以内に届出をしてください。

家族の範囲

被扶養者となれる家族の範囲は、三親等内の親族と決められています。さらに、同居・別居により、条件が異なります。

収入の基準

被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生活していること」が必要です。

同居している場合 別居している場合
対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること 対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、かつ、その額が被保険者からの仕送額より少ないこと

「年収の壁」に対する政府の施策について(2023年10月より)

参考リンク

「年収の壁」とは

「年収の壁」とは、税金や社会保険料が発生する基準となる年収額のことです。
健康保険等の被扶養者がパートタイマー等で働き、年収が一定以上になると、被扶養者ではいられなくなり、健康保険や国民健康保険等の被保険者となりますが、そうなると社会保険料の負担が発生して、結果として手取り収入が減少する場合があります。
社会保険における「年収の壁」は、企業規模の違い等により、年収106万円と年収130万円の2つがあります。

(出典:「年収の壁」への当面の対応策(厚生労働省))

年収106万円の壁

従業員101人以上の企業、賃金月額88,000円以上(年収:約106万円以上)等、一定の条件を満たす場合は、社会保険料が発生。

参考リンク
年収130万円(※)の壁 被扶養者の認定基準を満たさなくなるため、条件を問わず、社会保険料が発生。
  • ※60歳以上または障害者は180万円

年収130万円の壁に対する対応

被扶養者認定は前年の課税証明書等の確認で行われていますが、人手不足による労働時間延長等に伴い一時的に年収が130万円以上となる場合は、事業主の証明を添付することにより、収入見込額が130万円以上であっても、引き続き被扶養者の認定を受けることができるようになります。
(同一の者について原則として連続2回までを上限とします)

年収106万円の壁に対する対応

社会保険適用促進手当(※)の支給等、労働者の収入を増加させる支援を行った企業に対して一定期間助成が行われます。

※社会保険適用促進手当
短時間労働者への被用者保険の適用を促進するため、非適用の労働者が新たに適用となった場合、当該労働者の保険料負担を軽減するために支給することができる手当です。
社会保険適用促進手当は、給与・賞与とは別に支給するものとし、保険料算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の算定対象に考慮しないこととされます。

  • ※対象者:標準報酬月額が10.4万円以下の方。
  • ※報酬から除外する手当の上限額:被用者保険適用に伴い新たに発生した本人負担分の保険料相当額。
  • ※最大2年間の措置。

被扶養者認定における国内居住要件の追加について

2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)

国内居住要件の考え方について

住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。

  • ※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。

国内居住要件の例外

外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。

【国内居住要件の例外となる場合】

  • ① 外国において留学をする学生
  • ② 外国に赴任する被保険者に同行する者
  • ③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
  • ④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
  • ⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合

医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。

経過措置について

国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。

被扶養者の異動(変更)があったら

結婚や出産などにより被扶養者が増えたときや、就職や別居、死亡などで、それまで被扶養者に認定されていた家族が被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は手続きが必要です。なお、当組合では毎年、被扶養者の資格を確認するための検認を行っています。

扶養の認定について

健康保険組合は、被扶養者の認定にあたって家族の年収と被保険者との関係や扶養能力、生計維持の実態等を、関連法令、通達等に照らしながら総合的に審査し、厳正かつ公平な判定を行う義務と責任があります。

扶養の申請(認定)に際し、以下の内容等を確認します

  • 被扶養者の収入が限度額以下の基準にあること
  • かつ被保険者の収入の2分の1未満
  • 別居の場合、扶養者の収入以上の援助(仕送り等)をしている
  • 被保険者が生計を維持している事実があるかどうか

「被扶養者」の「年収」が収入限度額未満であっても、現実に被保険者により「主として生計が維持されている」という実態がなければ、認定されません。

収入の範囲

収入の範囲としては、給与所得、事業所得、失業(雇用保険)給付、公的年金、社会保険給付(傷病手当金、出産手当金等)、配当、家賃・地代収入、親族からの仕送り等、生活費に充当できるものは含まれます。

仮に、扶養の事実を偽って認定された場合、本来は資格のない者の医療費等を健保組合に負担させることになり、これは、他の被保険者や事業主が収めた保険料を詐取することになります。

扶養認定の例

(1) 認定が社会通念上の妥当性を欠く場合
→具体的実情に照らし、もっとも妥当と思われる認定を行います

被扶養者の認定は具体的実情に照らして行われます。ですので、たとえば年収500万円の被保険者が、年収150万円の義父と同一世帯で暮らしている場合、単純に被扶養者の認定基準に照らせば、義父は被扶養者の認定を受けられることになりますが、仮にこの義父のほかに、年収150万円の義母、年収100万円の配偶者、さらに未成年の子供2人と同一世帯で暮らしているような場合は、その全員が被扶養者として認定されることは難しくなります。

確かに、義父の年収は、被保険者の年収の2分の1未満であり、かつ限度額(60歳以上は180万円が上限)の範囲内ですので、単純な被扶養者の認定基準はクリアしています。そのため、義父・義母ともに、被扶養者として認定されるように錯覚されがちですが、被扶養者の認定形式的な部分だけで判断されるものではなく、そもそも「扶養の事実がある」と認められることが大前提です。

このケースを例にとれば、配偶者および子供については、認定基準をクリアしているうえ、生計維持関係などを判断しても、被扶養者として認定されるのが妥当であると思われます。

しかし、義父および義母については、まずは、被保険者の年収からみて、配偶者と2人の子供を養ったうえに、さらに義父・義母を扶養する経済的な余裕があるかどうかが判断されますが、社会的通念からみて、義父および義母の生計を維持する余裕はないと判断するのが妥当であると思われます。

さらに、義父および義母の年収の合計が300万円になりますので、こちらも社会的通念から判断して、経済的な支援がなくても生活に支障はないと判断するのが妥当であると思われます。

(2)経済的に扶養の能力がない場合
→扶養の事実は生まれません

被扶養者として認定されるためには、「扶養の事実がある」と認められることが必要です。経済的に扶養の能力がない場合には、「扶養の事実がある」とは判断されません。

たとえば被保険者に500万円の年収があり、別居している父親に160万円の年収があったとします。別居をしている者を被扶養者として認定する場合の条件としては、「被扶養者の年収以上」の援助をしていることが必要になりますが、この場合、仮に被保険者が独身で、社会保険料や税金を除いた可処分所得が450万円程度あるとすれば、父親に160万円以上の援助をすることは可能かもしれません。

よって、この被保険者が父親に160万円の援助をしているとすれば、形式的な被扶養者の認定条件はすべてクリアすることになりますので、父親が被扶養者として認定されると思われがちです。

しかしこの場合、父親を援助することで、被保険者自身の生活水準が290万円程度になる一方で、父親の生活水準は310万円と、被保険者の生活水準を上回ることになり、社会通念的にみても、被保険者が父親を「扶養している」とは判断しないのが妥当であると思われます。

このように被扶養者の認定は、単純に条件だけをクリアしていれば、満たされるというものありません。そのため、健康保険組合では、被扶養者の認定をした後も「扶養の事実」を確認するために、疑問点を質問したり、送金証明の提示を求めたりすることがあります。その結果、「扶養の事実がない」と判断された場合には、被扶養者の資格は喪失されますのでご注意ください。

被扶養者の資格見直し

当健保組合では、健康保険法施行規則により、毎年一定の期日を定め、被扶養者の資格に関する調査を実施しております。また、被扶養者に係る証憑書類等の提出を随時求めております。

この調査の結果、被扶養者資格がないと判定された場合、被保険者へ通告するとともに、資格が失われたと判定された日に遡り資格を削除する場合がございます。

また、悪意による虚偽の記載あるいは、申し立て等があった場合は、被扶養者認定を行った日に遡って削除するとともに、当該期間に発生した医療費や給付金を返還していただきます。

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